世界中にはいろんなことを研究している人がいて、いろんな悩みがあるんだなぁと。そんなイグノーベル賞を受賞したシュリクマー関数の研究についてです。
シュリクマー関数とは
インド象のwikiに普通に載っているシュリクマー関数。インド象の体の表面積を求めるための公式です。
普通にkeisanサイトにも載っていて、象の肩までの高さと、象の前足までの周の長さを入力すると表面積が求められるお手軽な計算式です。象の前足付近で測定が完遂できて利便性にも優れてますね。
どんなことに使われているか
インド象は、農民と共に働いてくれる動物として重宝されています。そのインド象の薬の投与量を決めるのに表面積を用いる様です。
林業で人と共に働く象
ミャンマーではまだ林業で象と共生している様です。インドなどでは重機による林業に置き換わっているみたいですが、ミャンマーでは伝統的な林業がまだ続いておりかつ環境にもやさしいみたいです。ちなににインド象=アジア象みたいです。知らなかった。
なぜ体重でないのか
体重も実は割と正確に出せるみたい。論文が出ていました。実際の投薬量の算出についてはググってもあまり出てこなかったので、どのように投薬量を決めているか不明でした。人間なんかだと体重を基準に投薬量が処方されるので…なぜ体重で投与量を決めないんでしょうか。
イグノーベル賞を受賞
2002年 mathematics賞を受賞しています。数学賞なんですね。
元となる論文は以下にありました。
http://www.ildidu.altervista.org/ignobel/immagini/elephant.pdf
とここで前述の「なぜ体重で投与量を決めないのか」の疑問の解決の糸口が!
薬の投与量って実は体表面積から出している
論文のアブストを見ると、「体表面積を求めるのに、他の動物と同様の体重との同等の制度は得られなかった」とあります。ん?と思い、人間の投与についても調べてみるとなんと薬によっては体重ではなく、体表面積から投与量を決めているものもある様です。
上記サイトによると
薬剤の吸収・代謝・排泄に大きく影響する、循環血液量、糸球体濾過率、基礎代謝などの生理諸機能は体表面積と相関するといわれています。
とあり、生物の生理現象は体表面積との相関が強いようで、そのため表面積を求め投薬量を決めるのが適切な量を選択するのに必要な様です。
まとめ
象の表面積を求めるなんてなんでそんなことを…と思いましたが、全生物共通の薬の投与量を求める重大な式であることがわかりました。イグノーベル賞はどちらかというと実用性というより面白みで選ばれる賞と勝手に思ってましたが、こんな実用的な研究もイグノーベル賞の対象なんですね。
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